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突如始まった歴史に残る新旧対決
みなさま
こんにちは。ANSCO9です。
グラフィティアートについて以前ご紹介しましたが、その中でも有名なグラフィティアーティストの「バンクシー」と「キング・ロボ」のグラフィティ戦争をご紹介します。
これは新旧対決とも言われ、世の中に大きな話題を生みました。
そもそもグラフィティ戦争とは?
ストリート界では多く見られる対決
以前ご紹介した、グラフィティアートについての記事でも少し触れているのですが、グラフィティアートとは日本の渋谷や原宿でよく見られる「落書き」の事です。
Photo Credit : www.hamhigh.co.uk
グラフィティアートはストリートカルチャーでも代表格の存在で、自分の縄張りなどのマーキングとしても使用されてきたアートになります。
ですが、このグラフィティアート、一度描いてある壁の「落書き」の上から自分の絵を描くときは一つ、大きなルールがあるんです。
それは、『その人より上手くないと上描きしてはいけない』というルールで、これはもちろん法律とかではなく独自に決められたローカルルールなのです。
このルールがある2人のプライドに火をつけた
ロンドンを拠点とする2人のアーティスト
今回のバトルの2人は「バンクシー」と「キング・ロボ」
Photo Credit : fakeout-magazine.com
まずは、この2人の簡単なプロフィールをご紹介します。
今や世界で最も有名なアーティスト「バンクシー」
バンクシー(Banksy)は今現在のストリートアートやグラフィティを先導する最も有名な存在のアーティストです。
Photo Credit : www.ibtimes.co.uk
”覆面芸術家”と呼ばれ本名を始め不明な点が多いですが、多くのストリートアーティストがバンクシーに影響を受け、また敬意を感じているといいます。
メッセージ性がとても強く、独自の表現が有名になったきっかけになります。
グラフィティアートの先駆者である最も偉大な「キング・ロボ」
キング・ロボ(King Robbo)は、ロンドンストリートアート界のパイオニアと呼ばれる人物です。
Photo Credit : www.flickr.com
バンクシーと同じく、キング・ロボも覆面を貫き素顔全体を晒していないのが特徴で、一度は目にした事があるかもしれない彼の絵はロンドンを中心に世界のグラフィティアーティストに影響を与えました。
実は90年代の日本では彼のようなアートに影響された人が多く、キング・ロボ風のグラフィティで溢れ、それは今でも見る事ができます。
ある日突然始まった新旧対決
実はこの2人、拠点はロンドンと同じで、キング・ロボはバンクシーとも出会っていました。
またバンクシーはキング・ロボに対して幾分無礼であり、キング・ロボの至る所にあるアートワークに対して良く思っていない印象を見せていました。
そしてある日、その戦いはロンドン・カムデン運河の目立つ場所にあるトンネル内で突然始まりました。スタートはトンネル内に1985年にキング・ロボが描いたアートになります。
これは描かれてから記念碑的にもなり、ロンドンの名物の一つとして愛されていた作品でもあります。
Photo Credit : happyfamousartists.com
2009年12月、その絵は年月が経ったこともあり薄汚れていました。それに対してバンクシーは作業員がポスターを畳んでるかのようにアレンジしました。
これにはバンクシーにとって新旧交代の意味があったのでしょうか。
Photo Credit : www.modernhiero.com
その2週間後、キング・ロボはもう引退していたのにもかかわらずその挑発に乗るため復活し、作業員だけを残しアレンジしてバンクシーが描いた作業員がキング・ロボの名前を描いてる姿に変えました。
Photo Credit : modernhiero.com
数ヶ月後、それに対しバンクシーは「FUC」の文字だけを付け足し再度挑発しました。
Photo Credit : www.ldngraffiti.co.uk
すぐさまキング・ロボは「FUC」だけを消しなかったことにします。
Photo Credit : ourimgs.com
少しづつ話題になり始め、市の職員かわかりませんがこの対決を終わらせるため壁を真っ黒に塗り替えます。
Photo Credit : modernhiero.com
2010年7月、キング・ロボはその黒い壁にバンクシーのキャリアが終わったことを示唆する、墓をたて挑発しました。
Photo Credit : www.modernhiero.com
それにまた、何者かが前回より綺麗に壁を黒く塗りつぶしました。
Photo Credit : modernhiero.com
2011年1月、バンクシーは黒い壁に対して謎の絵を描きます。
Photo Credit : modernhiero.com
それに対して、キング・ロボはまた塗り替える作業を始めます。ですがその塗り替え作業中キング・ロボは脚立から落下し頭部を強く打ったため、意識不明の重体で病院に運ばれてしまいます。
そのことを知ったバンクシーはキング・ロボの絵を壁に描き、下には火を灯しました。
Photo Credit : www.widewalls.ch
この戦いはドキュメンタリーに
世間を騒がせるこの戦いはイギリスの報道局によってドキュメンタリー化されました。
日本語ではありませんがこちらがドキュメンタリーのフル動画になります。
キング・ロボはこの数年後に亡くなってしまい、また報道の内容からバンクシーの評判はとても悪くなってしまいました。
アーティストとしての真っ向勝負
当時の真相はわかりませんが、相手の絵を少し残しながらアレンジするなど、アーティストとしての在り方を見せてくれた戦いなのかもしれません。
壁に描くことは日本はもちろん法律違反になります。ですが街で見られるグラフィティーアートには何かこのようなストーリーが隠されているかもしれません。
それでは
ANSCO9 DAISUKE
参考画像 : https://theactivesoul.wordpress.com/2013/04/02/banksy-vs-king-robbo-street-art-vs-graffiti/